【注目選手】スポーツクライミング 鈴木音生 アジア競技大会 愛知・名古屋

1年半の離脱期間で磨いた体改革と動きの進化

鈴木音生が主要国際大会で最初にタイトルを獲得したのは、2023年10月のアジアユース選手権(中華人民共和国・重慶)でのリード、ボルダー、複合の3冠だった。同年2月のリードジャパンカップで2位に入り、初の表彰台に立つと、6月から代表メンバーとして国際大会シリーズ「ワールドカップ(W杯)」に初参戦。8月の世界ユース選手権ではリードで準優勝を果たし、国際舞台で経験値を高めたシーズンとなった。

しかし、その上昇気流の矢先、2024年シーズンは怪我の影響により大会に出場できず、代表から離脱を余儀なくされた。パリ2024オリンピックシーズン、同年代の吉田智音(さとね)や小俣史温がW杯表彰台に上り、安楽宙斗(そらと) がボルダー&リード複合でオリンピック銀メダルの活躍を見せる中、鈴木は地道に体づくりに励んだ。

この離脱期間について鈴木は、「強くなれる期間を多く与えられたことで自身の弱さと向き合うことができ、単に強さではなく登りの質や安定感といった面で成長の1年になりました」と自身のインスタグラムで振り返っている。

その後、約1年6カ月を経てジャパンカップで試合復帰。2025年にW杯に戻ってくると、復帰戦で2位、3戦目で念願の初優勝を飾り、シーズン6大会中5大会で決勝進出という安定した成績を残し、年間総合はキャリアベストの4位。同年、シニアで初参戦となった世界選手権では5位入賞を果たし、飛躍の1年を締めくくった。

怪我からの復帰シーズンで自信に繋がる結果を残した鈴木は、「怪我をきっかけにフィジカルトレーニングを始めて、今季の成績に(良い意味で)影響している。シンプルに筋力が付いただけでなくて、対応できる動きの幅が広がったと思います」と、地元静岡のスポーツ紹介チャンネルでその進化について語っている。

2026年初戦のリードジャパンカップでは、2大会連続2位から脱却し、悲願の初優勝を達成。4月のアジア選手権では安楽ら強豪日本勢に加え、リード世界王者のイ・ドヒュン(大韓民国)らを破り、初のアジア王者に輝いたことで、9月のアジア競技大会リード種目の日本代表入りが内定した。