金メダルかじりの河村たかし名古屋市長だけじゃない! 簡易サウナやシャワー室…首長はなぜ暴走するのか:東京新聞 TOKYO Web

金メダルかじりの河村たかし名古屋市長だけじゃない! 簡易サウナやシャワー室…首長はなぜ暴走するのか:東京新聞 TOKYO Web

 金メダルをかじった名古屋市の河村たかし市長(72)に批判が集中している。女性の容姿に言及したり、「ええ旦那をもらって」と言ったり、今の時代にあり得ない発言も連発した。ただ、河村氏に限らず首長を選ぶのは有権者。1度当選すると任期は4年続き、辞めさせるのは簡単ではない。聞こえの良い公約や見た目、経歴などに惑わされず、本質を見抜く力が求められる。 (古川雅和、榊原崇仁) ◆女性に「マスクしているから、べっぴんに見える」  「普段から非常識な発言が多くて、うさんくさい感じがあった。市長としての品性に欠けるでいかんわ」。同市のパート女性(67)は河村氏を厳しく批判した。 金メダルをかんだことに対し謝罪する河村たかし市長=5日、名古屋市役所で  問題が起きたのは4日。東京五輪を制したソフトボール日本代表の後藤希友(みう)選手(20)が市庁舎に表敬訪問に訪れると、いきなり「でかいな」と話し掛け、「あんた」と呼び続けた。金メダルをかじった後も「かわいいお嬢さんだからびっくりしました」「旦那はええかね。恋愛禁止かね」といった発言を繰り返した。  河村氏は、笑顔を繕う後藤選手を気にする様子もなく「人間悪いやつおるで、気を付けてな。ろくでもないのもおるで」と忠告。周りの職員は一緒に笑うだけだった。電話とメールで市に寄せられた苦情、抗議は18日までに約1万5000件に上る。市のイベントで司会の女性に「マスクをしているから、どえりゃーべっぴんに見える」との発言をしたとの苦情も、6月に5件あったという。 ◆トップ当選が大半の河村氏 選挙に強い理由は 名古屋市長選で初当選し、支持者から水をかけられ祝福される河村たかし氏=2009年4月  河村氏は大学卒業後、家業の古紙回収会社で働き、後に政治家を志した。愛知県議選と衆院選で落選した後、日本新党ブームが起きた1993年7月の衆院選で同党公認候補として初当選。「総理を狙う男」を公言し、5期務めた。2009年4月の市長選に「庶民革命」を掲げて当選し現在、4期目になる。  選挙はトップ当選や大差の勝利が大半。選挙に強い理由について、同市の服部将也議長(民主)は「気さくに市民に接する市長というイメージを確立している」と分析し、江上博之市議(共産)は「既成の政治の批判者、庶民の代表という姿を見せているからで、決して実績ではない」と解説した。  大勝続きなのを背景に、強引な手法も目立つ。市長1期目、減税のための条例案が否決されると議会を解散。出直し選後に市民税の恒久減税を実現させた。  20年8月には「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」の展示内容を巡り、以前から対立していた実行委員会会長の大村秀章・県知事のリコール(解職請求)署名を積極的に支援。署名の偽造が発覚して関係者が逮捕されると河村氏も窮地に陥った。「想像の外にあることで本当に驚いた」と自身の責任を認めず、4月の市長選は得票率が51・6%にとどまる接戦になった。  市の中堅職員からは「やりたいことは冗舌に語るのに、それ以外は関心がない。議会や会見で細かいことは職員に答えさせるから、ぼろは絶対に出ない」との声が上がる。江上氏は「庶民派を名乗る河村氏を議員が批判すると市民からいじめと受け止められた」としつつ「今回の問題で実態が分かったはず」と話した。 
人口比と極端に不均衡で男性ばかりの議会は「不自然」 名古屋大学・田村哲樹教授:東京新聞 TOKYO Web

人口比と極端に不均衡で男性ばかりの議会は「不自然」 名古屋大学・田村哲樹教授:東京新聞 TOKYO Web

 国会の議員構成は男性に偏っています。国会でのジェンダー不均衡が長らく指摘されていますが、人口の約半数が女性である社会の姿とは今も大きく隔たっています。なぜ、不均衡は解消されないのか。女性の参画が進まないことに、どのような弊害があるのか。名古屋大学の田村哲樹教授(政治学)に聞きました。(聞き手・坂田奈央)  ―国会議員の女性比率は衆院が9.7%、参院が23.1%です。  議会が男性ばかりで、人口比と比べて極端なアンバランスになっていること自体が不自然。それを不自然と思わない事も不自然で、そのこと自体が弊害なのだとも思います。物事を決める場に女性が少ないことで、女性が取り組みやすいと言われる政策課題が軽視されがち、と言えます。  議席やメンバーが固定化することで、審議のあり方や発言の仕方など「こうするものだ」といった慣例が生まれ、見直されにくくなる可能性もあります。当たり前とされることでも時には根本から見直し、別の可能性を探るのが、本来の政治の場です。女性がニューカマーとなって、新たな発想や議論の仕方を持ち込んだり、慣例の見直しにつなげることも期待できます。  ―なぜ女性議員は増えないのでしょうか。 名古屋大・田村哲樹教授  政治レベルと社会レベルの理由があります。政治レベルでは、まず与党が積極的に増やしていません。増やさなくても、支持率や選挙に響かないと判断しているからです。むしろ「家族」や「ジェンダー」に関わる問題に改革的な姿勢をとることは、与党の支持基盤、特に保守的な層の反発を招く可能性もあります。  社会レベルでは、政治に限らず、女性のキャリア形成が難しい、ということです。他の職業で女性が指導的立場に少ないことと同じです。例えば、女性が仕事にかなり力を入れて取り組むには、家族の理解や支援が必要で、女性自身がそのことを気にせざるを得ないのに対し、男性はあまり気にせず済んでしまいます。  ―候補者の一定比率を女性にする「クオータ制」は導入すべきですか。  クオータ制には男女問わず違和感を感じる人がいて、「人為的に女性を増やすのはどうか」「げたを履かせるのはどうか」との声もあります。しかし、現在の国会議員の男女比率の方がよほど不自然、という視点がないことが問題です。  ―国会に多様な意見を反映させるには、どうしたらよいでしょうか。 選挙に関しては、比例代表制をベースにした選挙制度のほうがより多様性を反映しやすいです。小選挙区制は、選挙の次元で2つの選択肢に集約するものだからです。抽選制による会議を新たに設け、議会の極端な男女間の不均衡を補完的に是正する手もあります。  身近なところでは、社会生活のさまざまな場で、女性が意思決定者になる場面を増やしていくことです。地域やPTAで女性が活躍していても、その長は男性であるとか、学級やさまざまなサークル・集団の代表が男性であるとか、まだまだの部分もあります。女性が代表になったり、自分の意志で決めたり、という場面が増えれば、女性議員が増えるための伏線や環境につながると思います。 

衆院選・宮城5区 前新2氏、政策訴え第一声 | 河北新報オンラインニュース / ONLINE NEWS

2021年10月20日 10:50 候補者の訴えを聞く有権者ら=石巻市内 安住淳候補(あずみ・じゅん)、石巻市出身。早稲田大社会科学部卒。NHK記者を経て1996年初当選。防衛副大臣、財務相などを務め、2019年9月から立憲民主党国対委員長。 森下千里候補(もりした・ちさと)、名古屋市出身。名古屋学院大中退。2002年女優デビュー。16年にジム経営とゴルフ用品の会社を設立、19年に芸能界を引退。今年4月から自民党宮城5区支部長。  第49回衆院選は19日公示され、宮城5区には9選を狙う立憲民主党前議員の安住淳氏(59)と、元タレントで自民党新人の森下千里氏(40)=公明推薦=が立候補した。野党統一候補として臨む安住氏は「アベノミクス、1強政治を終わらせ、政治を刷新する」と強調。森下氏は「住民と同じ目線で地域の課題を解決していく」と訴えた。投票は知事選と同じ31日で、即日開票される。18日現在の宮城5区の有権者は25万2831人。  安住  淳候補(59)〔党国対委員長 立前(8)〕 <1強政治に幕を>  2カ月前、連日多くの新規感染者を出し、東京では患者が入院できなかった。国民皆保険では考えられないことだ。政府のコロナ対応は後手後手に回った。岸田政権は安倍・菅政権の延長だ。有権者は厳しい審判を下してほしい。自民の1強政治を終わらせ、アベノミクスをやめさせるのは国民の1票が決める。今こそ、政治を刷新し、新しい時代に導くため、先頭に立って必死で頑張りたい。 ●安住陣営 地元に精通した候補を 安住候補は新型コロナウイルスの影響で観光が打撃を受けた松島町で出陣式を行い、第一声を上げた。支持者ら約100人が応援に駆け付けた。  青山久栄選対本部長が「相手は落下傘候補。地元に精通した安住候補を押し上げてほしい」とあいさつ。安住候補は第一声で、岸田文雄首相が自民党総裁選で掲げた金融所得課税の強化を見送った点を痛烈に批判。選択的夫婦別姓に慎重な姿勢に「導入していないのは世界の先進国の中で日本だけだ」と切り捨てた。  「頑張ろうコール」で鼓舞した後、安住候補は選挙カーに乗り込み、遊説を開始。大郷町、大崎市鹿島台、遠田郡を回り、支持を訴えた。JR石巻駅前など8カ所で街頭演説した。   森下 千里候補(40)〔元会社代表 自新(公推)〕 <女性の力が必要>  地域がよりよくなるには女性の力が必要。女性が元気な職場は会社全体が明るく、社会にもいい影響を与える。長く活躍し、安心して子育てができる環境も整えたい。宮城5区は震災の影響を強く受けているため、他の選挙区とは違う。今でも二重三重の苦しみを感じていることを多くの人に知らせていく。戦いは今から12日間ではなく、一生の戦い。今日をスタートに、生涯頑張っていきたい。 ●森下陣営 政権与党の政治を強調 森下候補は石巻市のヨークベニマル石巻蛇田店前で第一声を上げた。「東日本大震災から10年が過ぎ、地域の医療体制や介護の担い手不足など課題が山積していることを肌で感じている。現場の話を聞き解決に取り組みたい」と力を込めた。  さらに、宮城5区には健康促進につながる施設が足りないと指摘。「健康な人がたたえられる社会を実現させる」と誓った。  集まった約300人を前に、自民党宮城5区支部幹事長の佐々木喜蔵県議は「政権与党の政治家として住民の幸せを守り、地域を発展させてくれるだろう」と期待し、支持を訴えた。  初日は石巻市あゆみ野や女川町などを回った。東松島市では2カ所で街頭演説に臨んだ。  ■遊説日程(20日) 【安住陣営】▽選挙カー=石巻市門脇復興住宅、二子団地、大川、沢田、JR女川駅前、石巻市吉野町復興住宅、東松島市野蒜ケ丘、石巻市河南 【森下陣営】▽選挙カー=涌谷町、大崎市田尻、美里町小牛田、同南郷、大崎市鹿島台、大郷町、大崎市三本木  ◇有権者の声  衆院選(31日投開票)が公示され、12日間の舌戦に入った。衆院解散から、投開票まで17日間という超短期決戦。新型コロナウイルス対策や経済再生、少子化対策などを巡る論戦の中で、石巻地方の有権者が求める施策を聞いた。  新型コロナ禍で、飲食店や酒販店は大きな打撃を受けた。約60店に酒などを卸す石巻市向陽町の「一山さいとう酒店」の斎藤昌徳専務(53)は「コロナとうまく付き合えるような施策を準備してほしい」と切望。「企業誘致や産業育成などで石巻の財政が良くなるよう、地元選出議員に国政で結果を出してもらいたい」と期待する。  子育て支援策にも注目が集まる。石巻市蛇田の20代の主婦山本玲奈さんは第2子を妊娠中。県外で長男を出産した時より、新生児期の検査費用の自己負担額が増した。近所の公園は遊具などの管理が行き届いていない所もあり、安全性に不安を感じるという。「安心して子育てできる経済的支援や環境整備を進めてほしい」と訴える。  人材不足が課題の介護業界からは、待遇改善を求める声が挙がる。女川町の介護老人福祉施設管理者の斎藤俊さん(58)=東松島市小松=は「介護職員の処遇は良くなってきているが、まだまだの部分もある。事務員や生活相談員らの給与も上げられるように、施策を充実させてほしい」と話す。  若い世代が定着できる地域づくりを望むのは、石巻市貞山1丁目の会社員平塚杏奈さん(27)。関東の大学を卒業後、石巻にUターンした。「石巻は職業の選択肢が限られ、就職活動で苦労した」と振り返る。「新型コロナ禍で地方が注目されている今こそ、若者が安定して暮らせる街づくりをしてほしい」と語った。  東松島市矢本上河戸の無職三上栄喜さん(78)は「9党党首討論会で、政治家らしからぬ乱暴な言葉遣いをする人がいて心配になった」と嘆く。エネルギー問題と子育て支援に関心を寄せ、「原発推進に賛成。電力不足解消のため、ある物は使った方が良いと思う。子どもたちが平等に教育を受けられる社会になってほしい」と話した。

トリプル選挙あす投開票 6候補、きょう最後の訴え | 河北新報オンラインニュース / ONLINE NEWS

2021年10月30日 12:30  第49回衆院選、知事選、県議選石巻・牡鹿選挙区(定数5、欠員1)の補欠選挙は31日、投票が行われ、即日開票される。トリプル選は大詰めを迎え、各陣営はそれぞれ一騎打ちの戦いを制するため、支持固めや浮動票の取り込みに総力を挙げる。 衆院選・宮城5区  宮城5区は、9選を狙う立憲民主党前議員で党国対委員長の安住淳氏(59)と、元タレントで自民党新人の森下千里氏(40)=公明推薦=が立候補している。  安住氏は、前政権の後手に回った新型コロナウイルス対応を取り上げ「コロナ禍で一番痛みを受けた所に温かい手を差し伸べる政治が自民党には足りない。政治の責任を取らせないと駄目だ」と語気を強める。  岸田文雄首相が自民党総裁選で主張した金融所得課税の強化を当面見送ったことや、先進国では日本だけが取り入れていない選択的夫婦別姓制度の導入に慎重な姿勢を批判している。  安住氏は「1強政治を終わらせ、野党が強くなれば日本の政治は良くなる。今こそ、政治を刷新する」と力説する。30日は本人が午後5時以降、石巻市で遊説し、支持固めを徹底する。  対する森下氏。三原じゅん子前厚生労働副大臣が28日、東松島市や石巻市に入り応援のマイクを握った。  三原氏は「石巻地方出身ではなくても地域を何とかしたいという思いで、家族や仕事の関係者を説得してやって来た覚悟がある」と強調。「石巻を復興させ、光を与えるために勝たせてほしい」と訴えた。  森下氏は「国政の光を石巻に当て、住民の暮らしを豊かに、幸せを形にしたい。10年後、生活を振り返り、『こうして良かった』と思える選択をしてほしい」と声を張り上げた。30日は石巻市中心部などを回り、浮動票の取り込みに注力する。  18日現在の有権者は25万2831人。 ◇遊説日程(30日)【安住陣営】▽選挙カー=石巻市飯野川、南三陸町、東松島市矢本、石巻市中浦、双葉町、泉町、大街道、青葉、茜平、のぞみ野、あけぼの【森下陣営】▽選挙カー=石巻市中里、鹿妻、駅北、アイトピア、立町、あけぼの、あゆみ野、山の手、元気いちば、千石町、山下、向陽町 安住  淳 59 党国対委員長 立前(8)    あずみ・じゅん 石巻市出身。早稲田大社会科学部卒。NHK記者を経て1996年初当選。旧民主党政権で防衛副大臣、財務相。立憲民主党国対委員長。 森下 千里 40 元会社代表 自新(公推)  もりした・ちさと 名古屋市生まれ。名古屋学院大中退。2002年にタレント活動を始め、16年に会社設立。19年に芸能界を引退し、21年4月から党宮城5区支部長。 知事選  任期満了に伴う知事選に立候補しているのは、共に無所属の新人長純一氏(55)と、5選を狙う現職村井嘉浩氏(61)。4期続いた村井県政への評価と、東日本大震災からの復興の方向性、新型コロナウイルス対策が主な争点となる。  「対話基調の県政」を掲げる長氏は、市民団体や野党系県議らが共闘態勢を築き、医療福祉の拡充や女性の視点に立った子育て支援を訴える。東北電力女川原発2号機(女川町、石巻市)再稼働の「地元同意」撤回を公約に盛り込んだ。  石巻市で被災者の健康を支えた経緯から、29日は石巻市の復興住宅を重点的に巡り、声をからした。  村井氏は、本格的な人口減少に備えた「民の力を最大限生かす県政」の継続と発展を訴える。  政権与党の自民、公明の支援を受け、県と市町が連携した復興完遂を強調。コロナ対策の強化や、子育て環境を整備する基金創設のほか、仙台医療圏4病院の再編構想の実現や、県産品の輸出に向けた国際航空貨物輸送便の誘致を公約に盛り込んだ。 長  純一 55 医 師 無新     ちょう・じゅんいち 東京都出身。信州大卒。長野県の病院勤務を経て2012年、石巻市立病院開成仮診療所長。21年2月まで市包括ケアセンター所長を務めた。 村井 嘉浩 61 知 事 無現(4)    むらい・よしひろ 大阪府出身。防衛大学校卒。陸上自衛隊東北方面航空隊などを経て県議3期。2005年の知事選で初当選し4期目。 県議補選・石巻牡鹿区  県議補選には、自民党元議員の池田憲彦氏(68)=公明推薦=と、無所属新人の加納三代氏(45)が立候補している。  池田氏は、少子高齢化や人口減少に危機感を募らせる。人口問題では大崎市との差が1万1000人余り(9月1日現在)に迫っていることに触れ、「第2県都として雇用の場の確保など産業振興を図らなければならない」と述べ、支持拡大を訴えている。  加納氏は29日、旧石巻市市街地のスーパーを回り、子育て世代や高齢者らの支持固めに奔走した。「石巻、女川のハード整備は整ったが、ソフト面や運営は自治体に任されている。孤立防止や補助金返済への手厚い支援が得られるよう働きかけていく」と強調した。 池田 憲彦 68 会社役員 自元(4)(公推)  いけだ・のりひこ 1953年、旧河南町生まれ。明治大政経学部卒。97年の県議補選で初当選し、通算4期。県議会議会運営委員長などを務めた。 加納 三代 45 会社役員 無新      かのう・みよ 鹿児島市出身。慶大大学院修了。2012年衆院選宮城5区に自民党公認で立候補し、落選。比例東北で復活当選し、1期務めた。

「新人作家は皆無だけれど」けなされた本人も笑ってしまう政治マンガの知られざる世界 誰よりも早く「モリ・カケ」を題材に | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

72歳でも現役バリバリという政治まんが家の世界 政治まんが家は、絶滅危惧種である。和服を着ているか、ベレー帽をかぶっていて、白い紙に墨でまんがを描くような「昭和」の印象が強い職業かもしれない。実際、「新進気鋭の政治まんが家」というような存在は、ついぞ聞かない。 そんな中、「政治まんが」の世界で輝きを放つ作家がいる。佐藤正明さんだ。東京新聞(中日新聞)で週2回の連載を持ち、コアなファンを引きつけている。彼の傑作選『一笑両断 まんがで斬る政治』(東京新聞)は7月下旬に発売されると版を重ね、売上好調だ。佐藤さんの「生態」をひもときながら政治まんがの世界を紹介しよう。 画像=佐藤正明『一笑両断』(東京新聞)より 佐藤氏は1949年生まれの72歳。名古屋で生まれ。愛知県の大学を卒業し、デザインプロダクションの仕事を経て、中日新聞からの依頼を受けて政治まんがを描いている。 80年代から政治まんがを描いているのだから三十数年のキャリアを持つ大ベテランだが、いかんせん政治まんがの世界は後進が育っていないので、いまでもベテランではなく、脂ののりきった世代という評価されている。ずうっと愛知県で活動しているので、全国的な知名度はないが、昨年には日本漫画家協会賞の大賞(カーツーン部門)を受賞した。 政治を笑い飛ばすこと自体が、避けられる時代に なぜ政治まんが家が育たないのか。背景には政治を論じることが「面倒くさく」なってきたことがある。1970年代、80年代ごろまではテレビの演芸番組では、政治をからかうような漫才が頻繁に放映されていた。かなり辛辣しんらつな皮肉も含まれていて、例えば「まるで●●党みたいで、右か左か分からない」などというギャグもあった。ロッキード、リクルートといった一連の疑惑も笑いの題材とされていたものだ。 ところが最近は、お笑いの「政治離れ」が急速に進む。テレビ局が、政治に忖度そんたくしているのか、芸人たちが忖度しているのかは分からないが(おそらくその両方だろう)、政治を茶化すネタはほとんどない。爆笑問題やウーマンラッシュアワーが政治ネタを扱うことがあるが、そのこと自体がSNSなどで話題になるほど、珍しいことになっている。 政治を笑い飛ばす政治まんがも、「お笑い」と似た状況なのかもしれない。やはり、「表現の不自由」がまん延し、業界全体が先細っている。 新聞でも、政治まんがの「地位」は、少しずつ隅に追いやられている印象だ。週2回、原則として1面で掲載している東京新聞は別格として、他の新聞内では、20~30年前と比べて目立たない位置に置かれることが多い。そういう面倒くさい環境の中で、黙々とまんがを描き続けるのが佐藤さんだ。

金メダルかみ 批判相次ぐ 名古屋 河村たかし市長 – NHK NEWS WEB

金メダルかみ 批判相次ぐ 名古屋 河村たかし市長 NHK NEWS WEB人の金メダルを勝手に噛む!名古屋・河村たかし市長の “衛生意識ゼロ” 行動にドン引きの声殺到(SmartFLASH) - Yahoo!ニュース Yahoo!ニュース“異常な市長” 河村たかし、トヨタが異例の抗議声明発表の理由…“メディア露出”政治家の暴走 Business Journal【速報】ソフトボール後藤選手の金メダルを突然ガブリ 河村市長「立場をわきまえない不適切な行為」と謝罪 | 東海地方のニュース【CBC news】 CBCテレビ「跡は付いとらん」が…金メダルかじり...

前哨戦低調の仙台市長選 同じ政令市の名古屋、横浜に見劣り? | 河北新報オンラインニュース / ONLINE NEWS

2021年07月01日 06:00 仙台市長選のポスター掲示板。8区画用意されたが、立候補表明は2人にとどまる  任期満了に伴う仙台市長選(7月18日告示、8月1日投開票)は投票まで1カ月となった。立候補表明はともに無所属で、再選を目指す現職の郡和子氏(64)、新人で元衆院議員の加納三代氏(44)の2人。他に立候補の動きは見られない。各政党が事実上、郡氏に相乗りする構図に新型コロナウイルスの影響も重なり、前々回2013年以来の低調な前哨戦となっている。  新人4人が名乗りを上げ、国政与野党が激突した前回の構図は4年間で一変した。郡氏が就任後、各党と等距離を保ち、対立候補を支援した自民、公明との緊張関係が緩和。今回も政党に推薦を求めず「市民党」を掲げたことが大きい。 自民は今回も一時、対立候補の擁立を模索したが、作業は難航した。中堅市議が立候補に動いたものの、郡氏を評価する声が一部にあり、党市連は一枚岩になりきれず断念に追い込まれた。「知名度に勝る現職が優位」(ベテラン党市議)と戦意は高まらなかった。 新型コロナも現職に挑む新人の動きを阻んでいる面がある。集会を開くなど名前や政策を浸透させる典型的な活動が制約され、県と市独自の緊急事態宣言が解除されるまでは、街頭で訴えることもはばかられた。 断念した中堅市議は支援団体に「コロナ対応に集中すべきだ」と進言されたことを理由の一つに挙げた。コロナ禍の厳しい生活で、選挙モードになれない市民意識も背景にうかがえる。 別のベテラン市議は低調の原因に「そもそも論」を説く。政令市移行後、市議選が区割りになったことや衆院の小選挙区制の影響を挙げて「仙台市全体を考えられるような人材が育ちにくくなった」と解説する。 今回は中堅市議が断念を表明した翌日、前回出馬した加納氏が「無投票は郡氏の白紙委任になる」として、現職と一騎打ちの場合に限り挑戦すると記者会見で語った。戦後初の無投票は回避される可能性が高い。 ただ、同じ政令市で比べると、4月にあった名古屋市長選は現職に3新人が挑む構図だった。8月8日告示の横浜市長選には元閣僚や市議、元衆院議員ら複数が名乗りを上げている。 東北大大学院情報科学研究科の河村和徳准教授(政治学)は、仙台市長選の低調を「市長と市役所、議員の小さなユートピア(理想郷)が選挙を機能させていない」と分析。「市政課題を可視化し、未来への責任を問うのが選挙。長い目で見れば将来につけを回すことになる」と警鐘を鳴らす。

【書評】偉大な政治家の責任とは:中兼和津次著『毛沢東論』 | nippon.com

中国共産党は2021年7月で創立百周年。創設者の一人で、中華人民共和国の成立を宣言した毛沢東(1893-1976年)は20世紀の「政治的巨人」だ。毛沢東をつぶさに分析した本書は、彼の遺産を引き継ぐ今の中国を理解するうえで役立つ。 政治家は「富士山」に喩えられる 「政治家は富士山に似ている」――。日本の政界で、よく知られている成句だ。富士山は遠くから眺めれば美しいが、近くに行くと岩がゴロゴロしているなど必ずしも綺麗ではない。政治家も間近で接すれば、いろいろと欠点も見えてくるという喩(たと)えである。 毛沢東はヒトラー、スターリンと並ぶ20世紀最悪の独裁者の一人との見方がある。半面、「彼の熱烈な崇拝者と現代中国の公式的見解によれば、彼はマルクス主義を創造的に発展させた偉大な思想家であり、何よりも中国を解放し、アメリカやソ連にも対抗した比類なき民族的英雄となる」 著者、中兼和津次(なかがね・かつじ)氏は1942年北海道生まれで、東京大学名誉教授(経済学博士)。中国経済の研究者として知られる。今回、毛沢東について論じる本書の主な狙いについてこう解き明かす。 「好き嫌いは別にして、もっと客観的に、また十分に距離を置いて、毛沢東という人物はいったいなぜ、またどのような行動をとったのか、彼の行動の根本を決める主旋律、思想の根幹は何か、そこにいかなる問題が内在していたのか、彼は現代中国に何を遺したのか、さらにもっと大きな問題として、大躍進や文化大革命に象徴されるようなすさまじい惨禍と犠牲を伴いつつも、なぜ彼が中国を統治し続けられたのか、などなど、彼の行動、政策にまつわるさまざまな問題を少々常識論的に、しかしできるだけ論理的に考え、説明してみよう」 「生々しい現実」も客観的に描く 著者は「とくに感情的に中国を見る風潮が昨今わが国では強いだけに、(反証可能な、ないしは仮説的に、という意味で)『科学的に』」毛沢東と現代中国の双方を捉え直すことが必要だと強調する。 本書は『毛沢東選集』所収の「矛盾論」と「実践論」をはじめ中国共産党、中国政府の公式文書や中国語文献、日本語文献、英語文献、地下出版物も含めて幅広く渉猟し、毛沢東の思想や行動を客観的、科学的に分析しているところに特色がある。 中国国内で出版される『毛沢東伝』や『周恩来伝』などは「理想的指導者像、いわば表の顔を描いているだけで、裏の顔は書かないか、書けないのである」。中国共産党の公式見解は「モデル(理想像)」が多く、「マドル(生々しい現実)」が語られることはまずない。 本書では、公式見解では伏せられている「生々しい現実」にも光を当てる。いわば広角、標準、望遠、接写など各種レンズを使い分けるような手法で、多面的性格を持つ“政治的巨峰”の実像と細部を描写している。 自画像は「マルクス+秦の始皇帝」 毛沢東は「単なる政治家ではなく、軍事戦略家であり、思想家であり、詩人でもあった」。本人は「自ら『マルクス+秦の始皇帝』と称した」という。 「秦の始皇帝の権力(政治的権力)と併せてマルクスの権威(思想的権威)を持とうとしていたし、前者は後者によって補強されていたのではないか。その上、秦の始皇帝そっくりの専制・暴力論と、マルクスの暴力革命論に由来する暴力肯定のイデオロギー、この二つを彼は併せ持っていたのではないか」。これが著者の仮説である。 「科学的社会主義」の創始者で、ドイツの経済学者、哲学者、革命家でもあったカール・マルクス(1818-83年)は『共産党宣言』や『資本論』などを著した。読書家だった毛沢東はマルクスの著作を「中国語訳を通して」読んだ。 著者は毛沢東が革命勢力としての農民を「発見」したとも指摘する。しかし、「階級闘争を旗印に社会を分断させ、批判的な集団や個人を徹底的に弾圧し、異論を唱える同志たちを次から次へと迫害・粛清するとなると、これはマルクス主義の新たな発見、創造、それに対する貢献というよりも、むしろ残酷な悪用というべきである」と断じる。 大躍進、文革の二大惨劇を発動 中国は毛沢東時代、二大惨劇が社会を激しく揺るがした。1958年からの「大躍進」と、1966年から10年間続いた「文化大革命(正式にはプロレタリア文化大革命)」である。 「二つとも毛沢東自らが発動し、全国(民)を巻き込み、国家と社会、それに経済を破滅の危機に陥れ、そして歴史的に見て名状しがたい悲惨な結末を迎えた点で共通している」 大躍進時代には大飢饉が起こり、数千万人ともいわれる餓死者を出した。文化大革命は「死者数から見れば大躍進期の非正常死に及ばない」ものの、「『階級闘争』の名のもとに告発から迫害へ、それが拷問に、さらには処刑・惨殺へと展開していった」のである。 こうした異常事態が続いたにもかかわらず、「中国は崩壊せず、共産党政権は微動だにせず、最高責任者毛沢東も失脚することはなかった。なぜだろうか?」と著者は問う。 マルクス教「毛沢東派」の教祖 中国が毛沢東時代、「体制の安定性」を保ち続けた要因はいろいろと考えられる。著者は先ず、毛沢東が軍隊を掌握していたことを「重要な要因」に挙げる。 「鉄砲から政権が生まれる」、「政権とは何か、力とは何か、権力とは何か、ほかでもなく軍隊である」……。毛沢東の有名な語録で、本書でも引用されている。 だが、毛沢東が統治を続けられた「最も根底にあった要因」は、“神化”という「宗教的要因」だとの仮説を展開する。「神=教祖」である毛沢東には「誰一人として真正面から反抗しなかったし、できなかった、ないしはしようと考えもしなかった」という。 なぜなら、この革命家は強烈なカリスマ性を帯びていたからだ。毛沢東は1927年、中国の湖南・江西両省の境にある井岡山(せいこうざん)に革命の根拠地を建設、ここに立てこもり、包囲する強大な国民党軍を四度も撃退した。戦後の国共内戦でも国民党軍を打ち破った。 こうした解放闘争史における比類ない実績に加えて「他の指導者にはない歴史に対する広汎な知識、哲学的素養、それに伝統的中国知識人(読書人)には不可欠な能力である作詩力を持っていた」。しかも弁舌が立つ。「毛沢東教あるいはマルクス教毛沢東派」の教祖とも擬せられる所以だ。 「毛沢東時代、真理は天から降ってきた。神、またはその代理である教祖たる毛沢東は唯一の真理を語る絶対的存在であり、それを疑うのは『不敬』となる」。因みに本書の表紙にある副題は「真理は天から降ってくる」である。 魯迅、周恩来との微妙な関係 本書は「はじめに」と10章に続く「終章」で構成されている。このうち第2章「毛沢東と魯迅」と第9章「毛沢東と周恩来」の内容は極めて人間臭い。作家の魯迅(本名周樹人、1881-1936年)、新中国の初代総理となった周恩来(1898-1976年)とも日本留学組で、この二人と毛沢東との関係は極めて微妙だった。 中国共産党が魯迅を「聖人」に祭り上げて陣営に引き込んだことはよく知られている。著者によると、毛沢東は魯迅を「革命のための『道具』」とみていたという。一方、魯迅は革命のためでも「人を殺すことはどんなことがあってもよくない」と考えていた。 魯迅と毛沢東は生涯、直接会うことはなかったが、著者はこう推察する。「極端なことをいえば、文学者魯迅が建国後も生き残っていれば、政治家毛に殺されていたかもしれない」 「よく毛沢東は厳父だったのに対して、周恩来は慈母だったといわれる」。革命第一世代の二人の英雄は建国の父、母とも呼ばれたが、その関係には曲折があった。 日本に続いてフランスにも留学した周恩来は毛沢東より5歳下だが、二人が1926年に最初に会った当時は中国共産党内で格上だった。ところが、党幹部の思想改造運動である「整風運動」が1942年から抗日・解放運動の本拠地、陝西省の延安で実施され、立場が逆転した。 「この整風運動の結果、周恩来が毛沢東に服従する関係が決定的になり、基本的には死ぬまで続いていくことになった」 著者の周恩来に対する評価は「遠くから彼を見れば見るほど、彼は優しい母親のイメージを醸し出す。逆に、近くにいて実物の彼を見ていた人ほど、もちろん彼に救われた人を別にして、非情な政治家に見えたのではなかろうか」。まるで日本政界の“富士山の比喩”のようだ。 「いずれにせよ、毛沢東ばかりではなく、周恩来という、大衆に絶大な信望のあった政治家についても、そのモデル(理想像)と併せマドル(汚い現実)を見る必要があるだろう。社会主義中国の、これまで多分に脚色されてきた歴史像をもっと現実に近づけるために、そうした作業は不可欠である」 英雄の女性観、日本の“反面教師” 「女性は天の半分を支えている(婦女能頂半辺天)」。男女平等を象徴する毛沢東の名言とされている。第10章「毛沢東をめぐる女性たち」では、建国の英雄の婚姻や女性遍歴にも触れているが、著者は「女性を手段として見ていた」との仮説を提示する。その典型例として大躍進時代の公共食堂を挙げる。 「女性を家事労働から解放するという建前で全国の人民公社に公共食堂を作ったが、その大きな狙いは労働力の『解放』にあって、家庭内で毎日三食の食事に関わってきた女性の労働力を農業生産に、あるいは一部は鉄作り運動に投入するためだった」 「建前、ないしは理念・モデルとして女性解放といいつつも、実態としては大して『解放』していなかったし、現在もしていないのである」 本書では、男女平等の度合いを示す2020年の「ジェンダー・ギャップ指数」(GGI)を紹介している。中国は世界153カ国中106位。「残念ながら毛沢東時代にかんするGGIの国際比較はないが、基本的に現在と大きく変わっているようには思えない。『社会主義体制』が女性を解放する必要条件ではないことはこのことからも分かる」と解説する。 日本の順位は中国より下の121位で、主要7カ国(G7)で最下位だ。「反面教師」という言葉はかつて毛沢東が演説で使ったとされるが、GGIでは日本こそ中国を反面教師にした方がいいかもしれない。 「幽霊がまだ中国に漂っている」 毛沢東が1976年に天上の「赤い星」となった後、中国は1978年、改革開放路線に舵(かじ)を切った。鄧小平が主導して社会主義市場経済を推進、1989年の天安門事件を経ながらも高度経済成長を続け、2010年には日本を抜いて世界第2の経済大国へと躍り出た。 もはや「毛沢東思想」などは死語になったような印象があるが、どっこい、そういうふうにはなっていない。著者は、『毛沢東と中国――ある知識人による中華人民共和国史』などを上梓した銭理群・元北京大学教授の「毛沢東が逝った後、彼の幽霊がまだ中国の大地に漂っていて、中国社会の発展に影響を与えている」との見解を引用したうえで、こう論じる。 「現代中国の実像を見れば見るほど、『毛の幽霊』が中国に漂っているだけではなく、しっかり社会と政治の統治原理として中国の大地に根付いてしまっていることに気づく。その意味で、彼の影響は今に至るも巨大なものがある」 今日の中国について著書は、かつてのような社会主義イデオロギーは消えてしまったとしながらも「社会主義を共産党支配と同一視し、毛沢東神話が依然として残り、強権による安定を是とする考えは変わっていない」と看破する。 「ミニ毛沢東」目指す習国家主席 「中華民族の偉大な復興」を唱える習近平国家主席は「『毛沢東思想』ならぬ『習近平思想』を持ち出し、毛沢東崇拝を模した個人崇拝のための演出を行い、長期の絶対的権威を確立しようと考えているようである」。いわば「ミニ毛沢東」を目指している。 「中国は経済発展を武器に、また最近では新型コロナウイルスを制御できたと、自らの権威主義的独裁体制の『優位性』を大いに宣伝している」 確かに今の中国は経済的に豊かになり、人工知能(AI)やデジタル技術でも世界の最先端を行き、何でもあるように見える。しかし、「自由」はない。 「人権派弁護士がある日突然姿を消したり、チベットやウイグル地区におけるような少数民族を弾圧したりといった、マルクスや魯迅が知れば驚き、悲しむであろう異様な抑圧体制を見るにつけ、現代中国は毛沢東中国とその本質は変わっていないことが分かる。鄧とそのあとを継いだ今日の中国指導部は毛の遺産をしっかりと受け継いでいる。中国では昔も今も、真理は天から降ってくることに変わりはない」 多くの中国人は毛沢東を「偉大だ」と形容してきた。その偉大な指導者は1959年6月、「政策決定が間違っていたら、指導者は責任を負わなければならず、一方的に下の方に責任を押し付けることはできない。指導者は指導されるものに代わって責任を取る、これが部下の信任を得る一つの重要な条件だ」と訓示を垂れたという。 「しかし考えてみれば、毛は自らが引き起こした、たとえば大躍進や文革のような計り知れない惨禍に対して責任を取ることは決してなかった」 こうした毛沢東観察を踏まえ、著者はチャーチル元英国首相の含蓄ある警句で本書を締めくくっている。 「偉大さの代償は責任である(The price of greatness is responsibility)」 「毛沢東論」 中兼 和津次(著)発行:名古屋大学出版会四六判:438ページ価格:3960円(税込み)発行日:2021年4月30日ISBN:978-4-8158-1023-8

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